越後平野の湖沼紹介

調査地マップ(位置)

阿賀野市にある瓢湖

飯豊連峰を背景にした五頭山塊に近く、住宅街に隣接、田んぼに囲まれています。江戸時代に農業用水池として人工的に造成されたもので、水害時には貯水して水害を防ぐ役目もはたしてきました。大小2つの四角い池がちょうど瓢箪の形をしていたので瓢湖と呼ばれるようになりました。近年、さくら池あやめ池が造成され水鳥の生息域が広がりました。かつて日本の自然保護の発祥ともいえる白鳥の餌付けに初めて成功し「白鳥の湖」として全国に知られています。現在、瓢湖水きん公園として自然環境を利用した自然観察や市民の憩いの場として親しまれています。

新潟市と新発田市またがる福島潟

新潟市北区と新発田市にまたがる面積271haの潟。これまでに220種類以上確認された野鳥の宝庫であり、国の天然記念物オオヒシクイの日本一の越冬地です。ヨシで覆われた島が複雑に入り組んだ地形で、警戒心の強いオオヒシクイやマガンなどが安心して過ごせる生息地になっています。絶滅危惧種で、葉の直径が2mを超える日本最大の水生植物オニバスの北限の自生地であり、ミクリやミズアオイなど希少な水生植物の生育する自然環境を有しています。五頭連峰を映す湖面と、多くの生き物たち、そして人が一体となって織りなす四季折々の景観。新潟の原風景を今に残しています。

新潟市中央区にある鳥屋野潟

新潟駅から2-3Km南東に位置。面積約170ha、海抜0m以下で新潟平野の遊水地としての機能を担っています。栗ノ木川に合流する一級河川でもあります。市街に隣接しながらも3000羽を超えるコハクチョウが飛来します。周辺にはヨシの群落が発達し、湖面にはコウホネ・ヒシが繁茂しています。サッカー場として知られたビッグスワンを象徴とし北側と南側に2つの鳥屋野潟公園があり、春と秋に多くの渡り鳥が立ち寄ります。自然と共生する公園、市民の憩いの場として整備が進められています。鳥屋野潟の南に隣接して内湖の清五郎潟があります。

新潟市西区にある佐潟

砂丘列間のくぼ地に水がたまったもので湧水と雨水によって湖水が維持されています。流入する河川はありません。日本海から約2Km、南西の上潟と北東の下潟から成り、湿地面積は76haの砂丘湖です。佐潟周辺に遺跡がみつかるなど平安時代から人々との大きな関わりがあり近年まで水田耕作や漁業がさかんに行なわれてきました。自然生態観察型公園として整備され、1996年ラムサール条約登録を契機に「佐潟自然環境保全計画」が策定、特に地元主体の保全とワイズユースが進められています。角田山を背景とした景観と夕陽がきれいです。

*阿賀野川(大阿賀橋付近)・・・準備中

ハクチョウやヒシクイが越後平野に飛来している10月~3月の約半年間、毎週金曜日の早朝に調査を行っています。調査は有志のボランティア活動に支えられています。その調査時の情報を公開しています。